Child Care

 

梅雨もあけ、久しぶりに晴れた日曜日、乾は自分の部屋でくつろいでいた。

今日は、乾の親戚が子供を連れてきていた。

母親も久しぶりに会う親戚と楽しく談話していた。

 

 

「貞治。私たち、２人で買い物に出かけたいから、この子見ててくれる?」

親戚が来てから数時間後、いきなり言われた言葉に、乾は慌てた。

「何で俺がめんどう見なきゃならないんだよ？」

「だって今日家にいるんでしょう。たまにはいいじゃない。」

「貞治君。ごめんね。お願いできない？」

２人がかりそう言われ、断る気力もなくなっていく。

（今日は薫も来るし、たまにはこういうのもいいかな）

「分かったよ。その代わり何かお土産買ってきてね」

「分かってるわよ。それじゃお願いね」

そうして２人は、乾たちを残して２人で出かけていってしまった。

 

 

「そういう訳なんだ。ごめんね。薫」

「いいっすよ。俺も子供好きだし。気にしないでください」

申し訳なさそうに言う乾に海堂はそう答える。

「それよりこの子女の子っすよね。何歳何すか？」

「ええと、１０ヶ月だっていってたよ。そんなに手はかからないっていってたけど」

赤ちゃんを抱っこしながら聞いてくる海堂にそう答えた。

「なんか、こういうのっていいね。夫婦みたいで。そう思わない？」

「またあんたは馬鹿なことを言って・・」

照れながら、でも嫌そうではない様子の海堂に、乾は笑いながら顔を近づける。

「薫・・・・・」

そして甘い声で囁きながら海堂に唇を合わせる。

そのとたん火の付いたように赤ちゃんが泣き出したので２人はビクッと体を震わせる。

「うわっびっくりした〜！」

「どうしたんだ、おしめか？おなかすいたのか？」

赤ちゃんをあやしながら海堂は慌てた。そしておしめを確かめてみる。

「やっぱりウンチしてますよ。この子。先輩、そこのおしめとってください」

「あ、ああ」

乾からおしめを受け取り、器用におしめを変えていく。その様子に乾は感心してしまった。

「上手いね。もしかしてやったことあるの？」

「前、お袋が預かったとき手伝ったから・・・」

そういいながら、おしめ換えをおわらせた海堂は、落ち着いた様子の赤ちゃんを布団の上に寝かした。

「後は目を離さなきゃこのままでも大丈夫っす。少しゆっくりしてましょうか」

「そうだな。俺はお茶を入れてくるよ。薫はゆっくりしててね」

「先輩。お茶は俺が・・・」

「いいよ。今日はお前に頼りっきりになりそうだから、これぐらい俺にやらせてくれ」

「・・はい」

 

 

台所でお茶とお菓子を用意しながら乾は浮かれていた。

（やっぱりいいなあこういうのは、本当に薫にはびっくりさせられたな）

お茶を準備し終えると、２人がいる部屋に持っていった。

 

 

部屋にもどってみると海堂が赤ちゃんと遊んでいて、それがすごく綺麗だったので

乾はしばらく見とれていた。

（ああ、やっぱりいい）

そんな乾の様子に気づいた海堂は、声をかける。

「先輩？」

「ああ、ごめん。お茶持ってきたから、少し休憩しようか」

「はい。」

２人が赤ちゃんから少し離れたところで休んでいると、赤ちゃんがハイハイしながら

海堂のそばに寄ってきた。

「はは、随分なつかれちゃったみたいだね、薫」

「先輩・・」

まんざらでもなさそうな海堂は膝の上に赤ちゃんを乗せると、頭を撫でる。

そして、そのままくつろいでいた。

 

 

 

「先輩、ミルク出来たっすよ」

ミルクを作ってきた海堂は、早速赤ちゃんにミルクをあたえ始める。

一生懸命飲む様子が可愛いのか、海堂は目を細めながら飲ませていく。

飲み終えるとゲップをさせて、後片付けを始めた。

「もうすぐ母さんたちも帰ってくると思うし、もう後は大丈夫だな。ごめんね。何から何まで任せちゃって」

「いいっすよ。俺も楽しかったし、それにあんたとこういうのも悪くないっす」

その言葉に乾は嬉しくなり、思わず海堂を抱きしめる。

「でも今日はいちゃいちゃ出来なかったな。また今度しようね」

「先輩」

乾は海堂に今日２度目のKISSを落とした――――――

 

 

「ただいまー貞治。お土産買ってきたわよ。海堂君にも・・あら〜」

「どうしたんですか？」

「これ見て。可愛いわｖ」

「ほんとだ。なんか親子みたいですね」

そう話す２人の目の前には赤ちゃんを挟んで眠る乾と海堂の姿があった。

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　H16.７．12　　UP

 

　　　　　久しぶりに更新しました。しかしありがちな話になってしまった。

どうも私は「甲斐甲斐しい薫ｖ」が好きみたいです・・

　　　　　タイトルは「育児」って意味です（携帯で調べた）

　　　　　そのまんまだ・・・

 

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