告白 後編
その日の練習が終わった後、海堂はいつものように自主練を行っていた。
俺は、海堂の練習が終わるのを部室で待っていた。 今日こそ告白するために。
ノートパソコンでデータの整理をしながら待っていると、部室のドアが開いて
海堂が入ってきた。
「乾先輩。まだ残ってたんすか?」
「ああ。学校でデータの整理をしとこうと思ってね。」
そう海堂に答えると、彼は、納得したような顔で自分のロッカーに向かい、
着替え始めた。彼の白い肌が目に入った瞬間、どきりとしてしまい
あわてて目をそらす。そのとき部活の時間に不二に言われた言葉を思い出す。
(海堂、最近綺麗になったしね。狙ってる奴もいるよ。)
確かに最近ますます綺麗になってなってると思う。前は可愛いという言葉が
ぴったりだったのに。何かあったのだろうか。
そんな事を考えながら、海堂に
「今日ちょっと話があるんだけどいいかな?」
と、話しかけた。
「はい。わかったっす。」
と海堂は答え、着替えを終わらせると、俺のそばにくると
「話ってなんすか?」
と、俺を見上げてきた。その可愛さに決心がぐらつくのをこらえながら
「海堂、俺はお前のことが好きだ。冗談なんかじゃない。お前のことを恋愛対象
として好きなんだ。自分でもとめられないんだ。」
情けないと思ったが、声が震えるのをおさえられなかった。心臓がどきどきいって苦しかった。こんな苦しい思いをしたのは、初めてかもしれない。
海堂からなにも反応がないのが気にかかり、彼の顔をのぞいてみると、
彼は、泣いていた。
「海堂?すまない。 そんなに嫌だったのか。ごめん・・」
海堂のことを大事にしたい、そう思っているのに、泣かせてしまった自分に
すごく腹が立つ。
「乾先輩。ちがうっす。俺・・俺も先輩がずっと好きだった。」
「えっ?」
海堂はなんていった?俺のことを好きだといってくれたのか?
「ずっと好きだった・・でも先輩に嫌われたくなかったから
このままでもいいとおもってだまってた。」
俺は、そんな海堂を思わず抱きしめた。するとますます愛しさがこみあげてくる。
「好きだよ、大好きだ。大事にするから、ずっとそばにいてくれ。」
すると 怒ったような声で、
「大事になんかしなくていい。俺はあんたと対等でいたい。守られるだけなんて嫌だ。」
あの強い瞳で睨まれる。ああ、俺は海堂の強さに惹かれたんだった。
俺は、もう一度海堂を抱きしめ、海堂の唇に、自分の唇を重ね合わせた。
04.5.16
やっと後編書き終わった~とりあえずこのサイトでの基本というか馴れ初めです。
一応・・薫乙女だ・・乾は海堂にべた惚れです。これが基本です(笑)
こんな駄文ですが感想やご意見いただけると嬉しいです。
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