カオルのアトリエ〜ザールブルグの錬金術士〜
錬金術という学問があった。
鉄を黄金に変える力、永遠の命を吹き込む力、
無から有を造り出すための力――
人が神を超えようとする術であると言う者もいた。
だが、それは見かけだけの判断に過ぎない。
あくなき探求心と斬新な発想が
それらを具現化させているだけなのだ。
我々は、好奇心を持っていたからこそ、
こうして進歩してきたのだから・・・
〜サダハルとカオルの出会い〜
「さて、ここで休んでいこうかな」
今まで長い距離を歩いてきた旅人、サダハル・イヌイは、数日をこの村で
過ごそうと宿を探すことに決めた。
(なんか人だかりができてるな。何かあったんだろうか)
この村で一際大きい家の前で村人が涙を浮かべながら、集まっているのをみて、
サダハルは、そのうちの一人に尋ねてみた。
「すいません。何かあったんですか?」
「ああ、あんたは旅の人かい?ここの村長の子供のカオルちゃんが
はやり病にかかってしまってね。医者でも治せないんだよ。
不器用で、無口な子だがすごく優しい子でね。みんな治してやりたいと思ってるんだが、
今、ものすごく危ない状態らしいんだよ」
村人はそう言うと、感極まったのか泣き崩れてしまう。
サダハルは、少し考えると、村人に話しかける。
「すいませんが、俺をその子のところに連れていっていただけませんか?」
「あんたは、医者かなんかかい?」
「ええ、まあそんなもんです」
「そうかい!それじゃあ早く診てやっておくれ!」
村人はそう言うとサダハルをものすごい勢いで、屋敷のなかに連れて行った。
通された部屋には、村長だろうと思われる人物と気品のある女性、小さな少年と神父らしき人物が、ベッドの周りを囲んでいた。
「すいませんが、よろしくお願いします」
「はい、分かりました」
村長の言葉にこう答えると、サダハルは病気で苦しんでいるカオルに近づく。
(これは、思っていたよりひどいな。この薬が効けばいいけど)
バッグからある薬を取り出すと、少しづつカオルに飲ませていく。
するとあんなに苦しそうだったカオルがみるみるうちに回復し、熱も治まっていった。
「カオル!」
(よかった。どうやら効いたみたいだな。)
「先生、本当にありがとうございます!なんてお礼をいったらいいか・・」
「いえ、お役にたててよかったです。」
と言って部屋を立ち去ろうとしたが、村長に引き止められた。
「先生!ここにいる間はこの家に泊まって行ってください。カオルの命の恩人なのですから。お礼もしたいのです。お願いします」
「それではお願いします。私はもうしばらくこの子の様子を診ていますので」
そう言うサダハルに満足すると、村長は、村のものに報告するために部屋を後にした。
(それにしてもすごく綺麗な子だな)
サダハルは、しばらくの間、カオルに見とれていたが、我に返ると、
(いかん!これではまるで気があるみたいじゃないか!)
そう悩んでいるうちに、カオルが眠りから覚める。
「あれ?俺は・・」
そう言ってあたりをみわたすと、見知らぬ男がいるのに気づく。
「あんたは・・誰だ?」
「俺は・・・」
サダハルが自己紹介しようとしたところに、村長がもどってきた。
「おお、目が覚めたか。こちらの方はお前の病気を治してくださったんだ。
きちんとお礼を言っておきなさい。」
父親にそう言われたカオルは慌てて上半身を起こすと、
「すいません・・ありがとうございます」
と礼を言った。
「いや・・いいよ、それにしても治って良かったね。」
「はい・・」
そう答えるカオルの表情がとても可愛かったのでまた見とれてしまう。
(やばいな、本気で惚れてしまいそうだ)
そう思い悩むサダハルの耳に村長の声が聞こえる。
「さあ、食事にしますから、こちらへどうぞ」
H16.6.11
やってしまいましたパロディ連載です。これ・・面白いんですかねえ・・
良かったら感想ください。自信ないから・・
ゲームやったことのある方はかなり設定違いますけど許してやってください(ペコリ)
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