カオルのアトリエ〜ザールブルグの錬金術士〜3

 

       『金の麦亭』での出会い〜

 

とりあえず工房を借りて、住むことになった俺たちは、とりあえず仕事をしながら、

くらすことになった。

「今度の『展覧会』は一年後だ。お題は薬。これで女王を納得させれば一年間援助が受けられる。」

薬か。これは先生の得意分野だから、楽勝だろう。

そんなことを思っていると、

「カオル。お前がやってみないか」

と先生に言われた。

「ええっ?俺がっすか?」

「そうだ。最近腕を上げているみたいだし、何よりお前は勉強熱心だ。きっといい評価を

受ける」

先生に真剣な顔で言われ、俺はうなずく。

「分かりました。俺やってみます」

「よし。決まったな。大丈夫だ。お前なら」

「カオルさんなら大丈夫っすよ」

と、2人は俺を励ましてくれた。

 

「さて、これからはいろいろ仕事をしてお金をためなくてはいけない。街で聞いたんだが、

この街の、『金の麦帝』と言う酒場が冒険者の仲介や、仕事の斡旋などもしているらしい。

あそこに行けばいろいろ仕事があるかもな。今度そこにいってみろ」

「はい、分かりました。じゃあ明日行って見ます」

「うん。リョーマはだめだからな」

「え〜つまんないっす」

そういうリョーマに苦笑すると先生は自分の部屋にもどっていった。

 

 

 

翌日、俺は先生に言われた通りに『金の麦亭』に向かった。

 

店の中に入るとすごい喧騒で頭が痛くなってしまった。酒場ってはじめてきたけどすごい賑わいだな・・・そんな風に周りをキョロキョロしていると突然話しかけられた。

 

 

「キミ、大丈夫かい?」

振り返ると、人の良さそうな人物が立っていた。

「はい、大丈夫っす。すいません・・」

「ここには仕事を見つけにきたんすけど・・凄い人っすね。」

「うん。斡旋もしてるからね。常連も多いし」

そういって穏やかに笑いながら、答えてくれる。

「仕事を探してるんだったね。一応俺も紹介してもいいことになってるから、今度から

俺にいってくれれば、仲介するよ。有料うわさ話もいろいろあるし」

正直いってありがたい申し出だったので、俺は、ありがたいと思っていた。

この人には話しかけやすいから。

「あ、ありがとうございます。俺はカオル・カイドウといいます。職人通りに住んでるっす」

「俺はタカシ・カワムラ。一応ここの跡取りなんだ。これからよろしくね」

「はい。ありがとうございます」

 

 

そんな風に自己紹介をしていると、入り口の方からやけにうるさい声が聞こえてきた。

「ちーす。あっタカさん。こんちわっす。・・ん?こいつ誰っすか?

「今日も元気だね。モモ。この人は今日からこの店の常連になるカオル・カイドウさんだよ」

正直初対面でこいつとか言われたことに腹が立ったが、怒ってもしょうがないので

その辺は無視することにした。

「カオル・カイドウだ。そこの職人通りの一角に住んでる。」

「おう俺はタケシ・モモシロだ。モモちゃんでいいぜ。一応冒険者なんだ。

もしお前が護衛がいるんだったら俺にまかせとけ!格安で請け負うぜ!」

何でこいつはこんなになれなれしいんだ?

まあでも格安でというのは今の俺たちには嬉しい話なので今度外に行くときには

こいつに頼むことにしよう。

 

 

早速俺は、仕事をいくつか引き受け、今日知り合った二人に別れを告げて『金の麦亭』

を後にした。

 

                    H16.7.12  UP

 

アトリエシリーズやっとUPできた〜!

今回はモモとタカさんの登場です。

つぎはだれにしようかな?

 

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